水と時の流れに憩う広場「寒川の水道記念館」

気になるミュージアム

こんにちは、悠帆堂です。
このサイトでは以前に「寒川神社」をご紹介しました。お庭の湧水が印象的な訪問でしたが、水に関連する施設としてこの寒川の地には神奈川県営水道の浄水場があります。

その近くに佇むのが「水道記念館」。昭和10(1935)年に竣工した送水ポンプ所をリノベーションした施設です。

レトロな佇まいの遊びながら学べる体験型施設

神奈川県の水道は、本邦初の近代水道ともいわれ、明治20(1887)年に供給が始まりました。その歴史を語る施設の数々は、「神奈川県営水道施設群」として「土木学会選奨土木遺産」に認定され、往時の面影を伝えています。

スクラッチタイルの外壁をまとったレトロな佇まい。エントランスのそばには、かつて実際に使用されていた巨大な渦巻ポンプが展示されています。

平成15(2003)年からは、遊びながら水道のことが学べる体験型施設にリニューアルしました。館内にはさまざまなアトラクションが用意されています。きっと小学校の児童たちが見学に訪れたりもするのでしょうね。入館は無料です。

建物の前に広がる憩いの日本庭園「水の広場」

建物の前に広がる庭園は「水の広場」。訪れたのが冬だったので、すっかり落ち着いた雰囲気ですが、広い芝生のスペースを囲むようにせせらぎが設えられていて涼やか。春には桜が咲き、夏にはせせらぎで遊ぶ子どもたちの姿もあり、心地いい時間が過ごせます。

せせらぎに沿ってさまざまな樹が植えられているのですが、これは神奈川県営水道が供給されている各エリアのシンボルツリーだそうです。北は旧藤野町(現在の相模原市緑区)から南は葉山、小田原まで。せせらぎは建物の手前にある石造りの池に注ぎ込みます。つまり、このせせらぎと池は、相模川と相模湾の見立てなのですね。

寒川神社の一の鳥居のすぐそば。駐車場もあります

アクセスは、徒歩で訪れるならJR相模線「寒川」駅から寒川神社の一の鳥居をくぐってすぐの入口から。ここからだと「水の広場」の目の前に出ることができます。お車なら「いこいの広場入口」の信号を曲がると、「水道記念館」まではちょっと歩きますが、無料の駐車場があります。

水道に関する展示がある資料館・記念館は全国にありますが、水は各地の地理や歴史・風土と切り離すことができないものですから、それぞれに個性があって面白いですよね。ほかの施設も折にふれて訪ねてみたいと思っています。

■神奈川県水道記念館
●開館時間 9:30~16:30
●休館日 月曜日(祝日の場合、その翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)、2月第4週の月曜日~金曜日(令和7年は2月17日~21日)
●入館料 無料
●公式サイト http://www.kappy.jp/